相続人が確定し、相続財産も明らかになった後、どの相続人がどの財産をどれだけ相続するのかを決める遺産分割協議を行います。
この遺産分割協議の内容を書面にしたものが遺産分割協議書です。
また、遺産分割協議書に記載がない遺産や後日判明した遺産をどのように扱うかを定めておくことも可能です。
作成日を記入のうえ、共同相続人全員が署名捺印し、共同相続人全員分の部数を作成するのが一般的です。

 

 

遺産分割協議書が必要となる場合

遺産分割協議書は、相続財産に不動産が含まれる場合、不動産の名義変更をする際に、相続人が1人しかいないような場合を除き、原則必要となります。
また、相続税の申告においても、法定相続分と異なる割合で遺産分割をした場合には遺産分割協議書が必要となります。
銀行口座の名義変更手続きをする場合には、必ず必要ではないですが、遺産分割協議書があれば名義変更をスムーズに行うことができます。
遺産分割協議書の書き方は決まっていませんが、次のような点に気をつける必要があります。

 

作成に関し気をつける点

①書く際は手書き、パソコンのどちらでも作成が可能ですが、相続人の名前・住所だけは自書するの方が望ましい
②押印は実印でする
③相続人の数と同じ通数を作成し、相続人全員が各自一通ずつ原本を保管する
④被相続人の名前、相続日(死亡日)、協議した相続人を明記する
⑤相続財産の処分内容を具体的に記載する
⑥不動産の記載は登記簿謄本や権利証により、土地なら所在と地番、建物なら所在と家屋番号を正確に記載する
⑦自動車は登録証により、正確に記載する
⑧預貯金、株式、生命保険解約金等の金融商品は証券や通帳に照らして正確に記載する
⑨代償分割(Aが土地を取得する代わりにBに代金を支払う等)の場合は代償内容と支払期限を明確にする

 

まとめ

発生直後は必要ないと考えていても、後々相続でトラブルになった際に「あの時ちゃんと協議して取り決めておけばよかった」と後悔することになるかもしれません。
したがって、遺産分割協議書は基本的には作成する方がよいです。

もちろん自分で作成することもできますが、
・相続人が多すぎて作成するのが大変
・後々トラブルとならないよう、しっかりとした遺産分割協議書を作成しておきたい
とお考えの方は専門家に相談してみるのもよいと思います。