特定遊興飲食店営業を営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可を受けなければなりません。
この許可を受けずに営業を営んだときは、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(併科されることもあります)が科せられます。
偽りその他不正の手段により許可を受けたときも同じです。
特定遊興飲食店営業には次の3つの要件があります。

 

 

営業者に関する基準

営業者に関する基準は風俗営業一般の基準と同様です。

風俗営業者の基準についてはこちら

 

営業所の構造および設備に関する基準

営業所の構造及び設備の技術上の基準は次の通りです。

①客室の床面積は、1室の床面積を33㎡以上とすること
特定遊興飲食店営業では客に接待することが禁止されています。客の接待をする風俗営業の接待飲食店営業の床面積規定は16.5㎡以上とされており、その2倍の広さが特定遊興飲食店営業では必要とされています。
これは、16.5㎡の広さでは特定の客を遊興させているということになり、接待に該当する可能性が高くなると考えられ、この広さが規定されているということです。

②客室の内部に見通しを妨げる設備(仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子(おおむね高さが1メートル以上のもの)等をいいます)を設けないこと

③善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼす恐れのある写真、広告物、装飾、その他の設備を設けないこと

④客室の出入り口(営業所外に直接通ずるものを除く)に施錠の設備を設けないこと

⑤営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるために必要な構造又は設備を有すること

⑥騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造または設備を有すること
静岡県の条例では地域ごとに40~55デシベルと定められています。

風俗営業許可には「営業所の外部から客室が見えてはならない」という規定がありましたが、特定遊興飲食店営業にはこのような規定はありません。

 

営業所の場所による基準

政令で定める基準に従い条例で定める地域以外の地域にあるときは、許可を受けることができません。
特定遊興飲食店営業が可能な地域は条例で細かく定められていますので、確認する必要があります。
例えば、静岡県の条例では富士市で特定遊興飲食店営業が可能な地域は以下の地域に限られます。

( 富士町、平垣、平垣本町及び本町の商業地域のうち、東海旅客鉄道東海道本線北側の地域並びに今泉一丁目、中央町一丁目から中央町三丁目まで、伝法、錦町一丁目、御幸町、吉原一丁目から吉原五丁目まで、依田原及び依田原町の商業地域 )
ただし、営業所が営業所設置許容地域内にない場合であっても、当該営業所がホテル等適合営業所に該当するものであれば、特定遊興飲食店営業の許可を受けることは可能です。

 

特定遊興飲食店営業を営むに当たって守らなければならないこと

許可証の提示義務、名板貸しの禁止、特定遊興飲食店営業を営む者の禁止行為、管理者の選任についての規定が設けられています。
内容については風俗営業と同様です。

また、遵守事項については、構造及び設備の維持、迷惑行為の防止措置、苦情の処理、騒音及び振動の規制、年少者立ち入り禁止の表示、接客従業者に対する拘束的行為の規制、拘束的行為を受けている接客従業者が業務に従事することを防止するための措置、条例で定める遵守事項についての規定が設けられています。
内容については風俗営業と同様です。

一方、営業時間の制限については風俗営業とは異なり次のようになります。

1)営業時間の制限

特定遊興飲食店営業は、風俗営業と異なり深夜0時を過ぎても営業することができます。
しかし、午前5時から午前6時までの時間は営業することはできません。

 

まとめ

特定遊興飲食店営業はH27年度の風営法改正により風俗営業ではなくなりましたが、公安委員会の許可が必要な点から、風俗営業許可の基準を用いている規定が多くあります。
大きく異なる点として、特定遊興飲食店営業は風俗営業と異なり、深夜0時を過ぎても営業することができます。しかし、その分近隣の居住者や勤務者の日常生活や社会生活の平穏が害されることを防止するため、営業できる地域は条例で指定された場所に限られ、風俗営業よりも厳しい規定となっています。
通勤者、通学者と酔客が朝の時間に交わり、トラブルになるようなことを防ぐため、規定を設け遵守して営業することが必要ですね。