産業廃棄物収集運搬業の新規許可を受けるために必要な要件にはどのようなものがあるのでしょうか。
許可を受けるには以下の要件を満たす必要があります。
産業廃棄物収集運搬業許可申請に関する講習会を受講していること
申請者が、産業廃棄物の収集運搬業を的確に行うための知識及び能力が必要とされます。そのため、「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」が実施する講習会を受講し、終了証を取得しなければなりません。
受講対象者は、個人で申請する場合は、本人又は事業所の代表者です。法人で申請する場合は、法人の代表者、役員、事業所の代表者です。
この講習会を受けた終了証は「その事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる」知識及び能力を有するという証明書類として、各都道府県で認められている書類です。
この終了証は、新規の場合は5年間、更新の場合は2年間有効となります。
経理的基礎を有していること
経理的基礎とは、産業廃棄物処理業を「的確に、かつ継続して行うに足りる」財務基盤があることをいいます。
大まかに言うと、利益が計上できていること、債務超過の状態でないことなどが基準となっています。
具体的には、法人の場合は直前3年間の確定申告書に添付した財務諸表、法人税の納税証明書、個人の場合は直前3年間の申告所得税の申告証明書が必要となります。
財務内容によっては、追加資料(経営改善計画書、中小企業診断士の経営診断書等)を提出することで経理的基礎の要件を満たすことを証明しなければならない場合があります。
適法かつ適切な事業計画を整えていること
許可を申請する前に事業計画を整えておく必要があります。適法かつ適切な事業計画の要件は、その内容が計画的に実施され、業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えていることが必要となります。
具体的には
1)排出事業者から廃棄物の運搬の委託を受けることが確実で、産業廃棄物の種類や性状を把握できること
2)取り扱う産業廃棄物の性状に応じて、収集運搬基準を遵守するために必要な施設(車両、運搬容器等)があること
3)搬入先が産業廃棄物を適正に処理できること
などです。
収集運搬に必要な施設があること
産業廃棄物が飛散、流出したり、悪臭が漏れたりしないような運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有している必要があります。
欠格事由に該当しないこと
申請者が下記に記載する欠格事由に該当する場合は、許可は受けられません。
なお、許可後においても下記のいずれかに該当した場合は、許可の取り消し処分を受けます。
個人であれば、申請者の他、政令で定める使用人(工場長・営業所長などで廃棄物処理委託契約締結権限のあるもの)、法人であれば、取締役、監査役、執行役などの役員、顧問、相談役、政令で定める使用人、5%以上の株主です。
1)成年後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
2)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受ける事がなくなった日から5年を経過しない者
3)廃棄物処理法等の法令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
4)次に掲げる許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
・一般廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
・(特別管理)産業廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
・浄化槽法第41条第2項による許可の取消し
5)法人で暴力団などがその事業活動を支配するもの
6)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
また、上記以外に、業務に関し不誠実な行為をする恐れがあると認めるに足りる相当な理由がある場合というように包括的な規定を置いていますので、注意が必要です。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得したい場合は、まず、欠格事由に該当しないこと及び財務内容で許可が取得できるかどうかを確認して下さい。
申請のながれなどよく分からないといった方、忙しいので全て任せたい方など、お気軽にご相談下さい。