産業廃棄物収集運搬業許可申請に必要な提出書類と許可申請のながれについて説明します。
 

 

提出書類

 
提出書類は、申請者が個人であるか法人であるかによって異なります。
また、財務内容によって追加の資料が必要となる場合や更新申請では優良認定を受けている場合には添付を省略できる場合もあります。

:優良認定とは:
事業の透明性、環境配慮の取り組み、財務体質の健全性、電子マニュフェストの導入などの項目において審査し、認定を行うものです。

①事業計画の概要を記載した書類
②事業用施設についての書類
(運搬車両の写真・車庫配置図・付近の見取図・運搬容器の仕様書)
③施設の所有権を有することを証する書類、所有権を有しない場合、使用する権限を有する書類
(自動車検査証書、使用承諾書等)
④事業を行うに足りる技術的能力を説明する書類
(講習会終了証の写し)
⑤事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類

【法人の場合】
⑥直前3年の各事業年度における貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表並びに法人税の納付すべき額及び納付済額を証する書類
(確定申告書に添付した財務諸表、法人税の納税証明書、財務状況により中小企業診断士の診断書等が必要となる場合あり)
⑦定款、登記事項証明書
⑧役員の住民票の写し及び登記されていないことの証明書、出資者等の登記事項証明書

【個人の場合】
⑨資産に関する調書並びに直前3年の所得税の納付すべき額及び納付済み額を証する書類
(申告所得税の納税証明書、負債額が資産額に比べて大きい場合は、経営改善計画書その他の書類の提出が必要)
⑩申請者の住民票の写し及び登記されていないことの証明書

⑪使用人の権限を証する書類
⑫試験検査成績書の写し
(燃え殻、汚泥、廃酸・アルカリ、廃油を運搬する場合 1年以内のもの)
⑬予定運搬先処分業者の許可証・指定書の写し

 

許可申請のながれ

 
①講習会受講
2日間の講習で、行政概論、環境概論、業務管理、安全衛生管理、収集・運搬の5科目を受講し、最終日に終了試験を受けます。
合格していれば約3週間後に、受講者に終了証が送付されます。終了証の取得が、申請書類の中でもっとも時間がかかります。
新規の場合、受講料は30,400円、web申し込みは29,900円です。

②品目の決定
取り扱う品目を決定します。
どのような業種の排出先から出た産業廃棄物であるのか、また、どの種類に該当するのかをよく確認する必要があります。
また、運搬先についても、その産業廃棄物の種類に対応した許可をもっている業者であることを事前に確認しておく必要があります。

③申請書作成、添付書類の収集
申請書を作成します。同時に添付書類を収集します。
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物を積み込む場所と降ろす場所が異なる場合、両方の都道府県知事の許可を取得しておかなければなりません(通過のみの都道府県の許可は不要)。
申請にあたっては、どこの排出先からどこの運搬先に持って行くかについて記載しますので、あらかじめその両方を確認しておく必要があります。

④申請
産業廃棄物処理業の許可に関する書類の提出先は、主たる営業区域を管轄する健康福祉センターです。
申請の受付は、予約制となっています。混雑していることもあるので、早めに予約しておく必要があります。

⑤許可
申請から1ヶ月から2ヶ月程度で認可証が交付されます。
申請が新規の場合の費用は81,000円、更新の場合は73,000円です。

 

許可後の注意点

 
①許可の期限と更新期限について
産業廃棄物収集運搬業の許可の有効期限は5年です(ただし、優良認定を受けた者は7年)。許可の有効期限が切れる前までに更新手続きをしなければ、許可は失効してしまいます。
新規の場合の有効期限は5年ですが、更新の場合は2年なので、2年ごとに講習を受講する必要があります。

②変更事項の届出について
法人の名称変更、住所地の変更、代表者の変更、運搬車両の変更、取り扱う産業廃棄物の種類の変更などがあった場合は、10日以内に変更届を提出する必要があります。

 

まとめ

 
産業廃棄物収集運搬業許可申請は添付書類も多くまた、許可を受ける要件を満たす必要もあり、申請に時間も費用もかかります。
また、許可後の更新手続きの有効期限を過ぎてしまうと、再度新規として許可申請をしなければなりません。
当事務所では、新規の許可申請から許可後の手続きまでトータルでサポートいたします。
また、許可を取得する要件を満たしているのか分からないといったご相談でも結構ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。