接待飲食店を営むにあたり必要な資格、遵守すべき営業所の基準は以下のようになります。

 

 

 

資格

積極的に必要となる資格はありません。
しかし、以下の欠格事由に該当する場合には許可を受けることができません。

①成年後見人(物事を判断する能力を欠く状態にある人のこと)若しくは被保佐人(物事を判断する能力が著しく不十分な人のこと)又は破産者でいまだ復権(破産の決定により制限された権利や資格を回復をはかる制度)していない人

②1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は公然わいせつ罪や淫行勧誘罪などの罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過していない者

③集団的、常習的に暴力的不法行為を行う恐れのある者

④アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

⑤風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

⑥法人の役員、法定代理人が上記の事項に該当するとき

 

営業所の基準

風俗営業で使用する営業所について一定の制限を置くことにより、管理が行き届かず、法が認めた範囲外の営業行為がなされないよう、また、違法行為の場所に利用され、犯罪行為を助長することがないよう規制しています。
そこで、風俗営業で利用される営業所については、内部的な制限と外部的な制限が設けられています。
 
①内部的な制限
 
接待飲食店営業で使用する営業所として認められるためには、営業所の構造や設備が一定の技術的基準を満たしていなければなりません。

1)キャバレー、料理店等

a)客室の床面積は、16.5㎡以上(和風は9.5㎡以上、1室の場合は制限なし)であること
b)客席の内部が外部から容易に見通すことができないものであること
c)客席の内部に見通しを妨げる設備(仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子等おおむね高さが1メートル以上のもの)を設けないこと
d)善良の風俗を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
e)客室の出入り口(営業所外に直接通ずるものを除く)に施錠の設備を設けないこと
f)営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること(照度の基準に満たない照度に自由に変えられるスライダックス等の照明設備を設けることは認められません)
g)騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること(営業活動に伴う騒音が条例で定める数値(静岡県は55デシベル)に達する場合は、防音設備を設けなければなりませんが、例えば、音響設備を設けないため特に騒音が発生しない場合や、建物の壁が厚いこと、営業所の境界地まで相当な距離があること等により外部に音が漏れない場合にまで防音設備の設置を義務付けるものではありません)

2)低照度飲食店

・客室の床面積は、1室5㎡以上(客に遊興をさせる態様の営業にあっては33㎡以上)であること
・1)のbからgまでにあげる基準を満たしていること

3)区画席飲食店

・1)のb,d,e及びgに上げる基準を満たしていること
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること
・長いすその他の設備で専ら異性を同伴する客の休憩の用に供するものを設けないこと

②外部的な制限

風俗営業は仕事ごとの性質が、健全な風俗を害しかねないものであるため、営業所を置くにあたっては周囲の環境にも配慮する必要があります。そこで以下の点に注意する必要があります。

1)都市計画法上の用途地域による制限にかからないこと

【営業することができない地域】

・第1種低層住居専用地域
・第2種低層住居専用地域
・第1種中高層住居専用地域
・第2種中高層住居専用地域
・第1種住居地域
・第2種住居地域
・準住居地域

2)保護対象施設から一定の距離以内で営業しないこと

【保護施設】

・学校、図書館、児童福祉施設、病院(入院設備のあるもの)

周囲100メートル(商業地域においては50メートル)の区域内に保護施設がある場合は営業できません

3)賃貸物件で営業する場合、賃貸人の承諾があること

 

営業時間

営業時間は原則として日の出から翌日午前0時です。ただし、地域の条例で別途制限が加えられることがあります。
「0時までしか営業できないのなら、0時以降は深夜酒類飲食店営業として営業をしよう」と考える方もいるでしょうが、0時を境に営業態様や客を入れ替えるのはなかなか難しいので現実的には両方の許可を取ることはできません。

 

まとめ

このように風俗営業許可の取得には様々な要件があり、満たしているかを一つ一つ確認する必要があります。
静岡県の条例や公安委員会規則で具体的な地域などが細かく規定されていますので、営業可能地域や営業時間などを営業企画段階で警察署へ確認しておくことをお勧めします。
当事務所でも、事前確認から申請までを代行いたしますので、お困りの方はお気軽にご相談下さい。